トルコがロックダウン措置を緩和、旅行シーズンを前に

トルコは17日、新型コロナウイルスの流行抑制に向けて先月29日から実施してきた
ロックダウン(都市封鎖)措置を部分的に廃止した。来月1日にさらに緩和を進め
る方針だ。英国、日本を含む14カ国からの入国者に対し、15日から陰性証明書の提
示を免除したのと軌を一にする動きで、重要産業である観光業が夏の書き入れ時を
迎えるのに配慮した動きとみられている。
これまでは日用品の買い物や通勤を除き外出が全面的に禁止されていたが、今回の
緩和で月曜から金曜の午前5時から午後8時までの外出が許可された。外出許可時間
中の都市間移動、飲食店のテイクアウト・出前サービス、ショッピングモール営業
も可能となった。
トルコは、1日の国内新規感染者数が4月に6万3,082人の過去最高を記録したのを受
けてロックダウンを実施した。今月15日には1万1,472人へ減少したが、エルドアン
大統領がロックダウンの目的として指摘した「新規感染者数5,000人以下」とは大
きな隔たりがある。ワクチン接種は16日時点で、2回とも受けた人が108万人(人口
の13%)、1回目のみの人が149万人(18%)。
他国と同様、トルコでもパンデミックによる観光業の打撃は甚大だ。昨年の観光収
入は前年の350億米ドルから121億ドルへと大幅に減少した。政府は今年、300億ド
ルへの回復を目指しているが、コロナの流行が抑えられなければ実現が難しい。
観光業は外貨獲得の担い手でもある。19年のトルコ経常収支は37億ドルの黒字だっ
たが、今年2月の経常赤字の移動合計(過去12カ月の合計)は378億ドルに膨らんで
いる。国際金融協会(IIF)のアナリストらは、今年の経常赤字が国内総生産
(GDP)の4%に達する可能性を指摘している。

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