西バルカンの非欧州連合(EU)加盟6カ国は1日、携帯電話サービスのローミング料
金を撤廃した。欧州委員会の支援を受けて実現したもので、今後同地域のユーザー
は「自宅を歩き回るように」(セルビアのタチアナ・マティッチ貿易・観光・通信
相)安価な料金で携帯サービスを利用できるようになる。6カ国は将来的にEU加盟
国との通信にかかるローミング料金も廃止もしくは引き下げていく方針だ。
ローミング料金を撤廃したのは、EU加盟を目指すセルビア、ボスニア・ヘルツェゴ
ビナ、モンテネグロ、北マケドニア、コソボ、アルバニアの6カ国で、2019年4月に
ベオグラードで開催された第2回西バルカン・デジタルサミットで、同年7月1日か
ら21年にかけて料金を段階的にゼロまで引き下げる協定に調印。ローミング料金は
すでに80%以上、引き下げられ、西バルカン地域全体でデータ流通が大幅に増加し
ていた。
ローミング料金の撤廃は地域間の分断が残る西バルカンの融合を促すと期待されて
いる。南東欧諸国の協力組織「地域協力会議」(RCC)のブレグ総裁は、「料金撤
廃は最初のステップに過ぎない。我々は国境の開放と関税の撤廃、貿易増大や移動
の自由の実現に今後も取り組む」と述べた。