ポーランド中央銀行(NBP)は8日、主要政策金利である7日物レファレンス金利を
0.5ポイント引き上げ、1.75%に設定した。利上げは3会合連続。景気の過熱を抑
え、物価の上昇にブレーキをかけるため追加利上げに踏み切った。ロンバート金利
は1.75%から2.25%に、公定歩合(再割引率)は1.3%から1.8%に、預金金利は0.
75%から1.25%にそれぞれ引き上げた。
同国のインフレ率は11月に7.7%となり、前月から0.9ポイント上昇した。天然ガス
などの燃料と食品価格の高騰、需要の拡大に対する供給不足に加え、賃金の急速な
伸びに伴う消費支出の増加が大きい。中銀は今後について、世界的なエネルギーお
よび農産物価格の上昇、温暖化ガスの排出量取引価格の高騰、サプライチェーンの
継続的な混乱などを理由にインフレの高進は続くとしたうえで、予想される世界的
な価格上昇の要因の鎮静化と、中銀の引き締め策が奏功し、長期的にはインフレが
鈍化するとの見方を示した。
同国の国内総生産(GDP)は7-9月期に前年同期比5.3%増となり、2四半期連続でプ
ラス成長を記録した。中銀は、需要に対する供給不足とエネルギー価格の高騰、新
型コロナの変異株流行というリスク要因はあるものの、今後数四半期は経済が好調
を維持すると予想している。
中銀は声明で、インフレリスクを抑え、インフレ率を中期的に目標値の2.5%に近
づけるために追加利上げを決めたとしたうえで、目標達成に向け、為替市場への介
入など利用可能な手段を取っていくと強調した。