ボルボ・カーズ、スロバキアEV工場設置に12億ユーロを投資

スウェーデン乗用車大手のボルボ・カーズは1日、スロバキア東部のコシツェ近郊
に電動車(EV)工場を建設すると発表した。年産能力は最大25万台。2023年に着工
し、26年に量産を開始する予定だ。約12億ユーロを投資する。このうち2億6,700
ユーロを政府助成でまかなう。
新工場はEV需要の継続に対応し、将来の成長を図る措置だ。ボルボ・カーズが欧州
に新たな生産拠点を設置するのは、ほぼ60年ぶりという。具体的にどのモデルを生
産するのかは明らかにされていない。
ボルボ・カーズは2030年までにEV専業化、40年までに炭素中立(カーボンニュート
ラル)実現を目指している。生産事業に限っては25年の達成を予定しており、スロ
バキア工場も必要な電力をすべて再生可能エネルギーでまかなう。
スロバキアではすでに自動車メーカー4社が進出しており、ボルボでは、これまで
に築かれた確かな部品供給ネットワークが新拠点の力となるとみている。
ボルボ・カーズは中国・浙江吉利控股集団(Geely)の一員だ。スウェーデンの
イェーテボリ本社に開発、マーケティング、経理機能を置く。生産は、イェーテボ
リ近郊のトーシュランダと、ベルギーのゲント、米サウスカロライナ、中国の成
都、大慶、泰州で行っている。
現在の年間販売台数は60万台(「ポールスター」ブランドを含めると70万台)だ
が、2025年までに120万台の達成を目指している。トーシュランダ工場では、次世
代EVの生産に向け、総額100億スウェーデンクローナ(約9億6,000万ユーロ)の投
資計画が進行中だ。
研究開発・設計はイェーテボリ以外に、米カリフォルニア州カマリロと、上海の拠
点でも手がけている。

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