住友商事は19日、トルクメニスタン自動車庁向けにトヨタ自動車のタクシーとバス
を合計2,110台輸出する契約を結んだと発表した。内訳はタクシーが780台、バスが
1,330台で、同国の約1年分の新車総輸入台数に匹敵する。契約額は1億1,500万米ド
ルに上る。
2021年7月にタクシー・バス合計860台分の初回契約を行い、うち今年11月までにタ
クシー469台の納車が完了している。これに続き同11月に合計1,250台の追加契約を
交わした。初回契約のモデルと台数は、タクシー用途の「カローラ」が780台、バ
ス用途の「ハイエース」と「コースター」が50台と30台で、追加契約はハイエース
が250台、コースターが1,000台。カローラはトルコ製で、その他は日本製となる。
トルクメニスタンでは2016年から外貨流出を抑制する措置の一環で自動車の輸入制
限が行われており、首都アシガバードでは政府公認タクシーの慢性的な不足が続い
ている。不足分は周辺国からの流入車両による非正規のタクシーが穴埋めしてきた
が、料金トラブルの多発が問題となっていた。このため政府が非正規タクシーの規
制を強めたところ、市民の移動に影響が出始めたことから、外貨流出を抑えつつタ
クシーおよびバスの台数を増やすことを決定。2018年から同国自動車庁と住友商事
との間で交渉が重ねられてきた。
住友商事は同国で2015年、トヨタ自動車の正規販売代理店として自動車輸入販売事
業に参画した。同事業を通じて得た知見に加え、同国政府やトヨタとの関係構築が
実り今回の契約に至った。