スロバキア環境政策研究所の調査によると、2028年にはエンジン車と電動車(EV)
の新車価格が拮抗し、その後、EVのほうが安くなる見通しだ。新排ガス規制の導入
でエンジン車の価格が上昇する一方、メーカーの増産でEV価格が低下するためで、
大型オフロードモデルでは25年中にEVの方が安いというケースも出てくるという。
トラックも含めて、EVが普及していく予想だ。スロバキア日刊紙『ジエンニクN』
が報じた。
欧州連合(EU)では25年7月に乗用車・小型商用車(LCV)、27年7月にその他の商
用車で、新しい排ガス基準「ユーロ7」が導入される。欧州自動車工業会(ACEA)
が今年5月に発表した委託調査によると、これにより製造コストは乗用車・LCVのガ
ソリン車で約1,800ユーロ、ディーゼル車で約2,600ユーロ、トラックとバスで約1
万2,000ユーロ増加し、上げ幅が欧州委員会の想定の4〜10倍になる。
また、35年にエンジン車が実質禁止となるのに向けて、メーカーは生産をEVにシフ
ト。現在のところはエンジン車の生産ラインをEV製造に転用しているが、次第に本
格的なEV生産ラインへ移行していく。量産体制が整うにつれて価格も下がると考え
られる。
このような状況から、環境政策研究所は28年に両タイプの新車価格が同水準にな
り、その後EVの方が安くなるとみる。30年には、エンジン車モデルとEVモデルの差
額は最大2,500ユーロに上るという試算だ。
一方、同研究所では、中古のエンジン車に消費が流れないよう、国が適切な助成策
を実施すべきとみる。同時に、中古のエンジン車の販売に排出税を課して価格を引
き上げることも提案している。