トルコは20日、ハンガリーと天然ガスの輸出協定を締結した。エルドアン大統領の
ハンガリー訪問に合わせたもので、トルコが国境を接しない欧州の国に天然ガスを
供給する初のケースとなる。輸送は来年から開始される予定。輸出量は明らかにさ
れていない。
トルコのバイラクタル・エネルギー天然資源相によると、協定は政府系の石油パイ
プライン企業ボタシュ(Botas)とハンガリー電力最大手MVMとの間で結ばれた。協
定にはトルコの液化天然ガス(LNG)インフラや両国の天然ガス貯蔵施設の利用に
関する協力も含まれる。同相は「トルコは欧州のエネルギー安全保障への貢献を続
ける」とX(旧ツイッター)に投稿した。
トルコは1月、ブルガリアとの間で、13年間に渡り年間最大15億立方メートルの天
然ガスを供給する協定に調印している。
エルドアン大統領は、ハンガリーのオルバン首相が陸上世界選手権の自国開催に合
わせて企画した一連の国際会議に参加するため同国を訪問した。20日にはセルビア
やアゼルバイジャン、中央アジア諸国の政府高官も訪問。アゼルバイジャンはハン
ガリー国内に自国産天然ガスを5,000万立法メートル貯蔵する協定を結んだ。セル
ビアは、ウクライナが欧州向けロシア産ガスの自国領土通過を停止した場合には
「必要な輸送能力を提供する」意向を表明した。