チェコのCFRPメーカー、3プロジェクトで助成を獲得

炭素繊維複合材料(CFRP)の開発を手がけるチェコのコンポテック(CompoTech)
はこのほど、新たに参加するプロジェクト3件について同国のテクノロジー庁から
助成を受けることが決まった。分野はオプトメカニクス、水素燃料タンク、メカト
ロニクスなどと多様で、プロジェクトの期間は今年1月から2028年末まで。CFRPの
特長を活かして高強度かつ軽量な部材を開発する。
オプトメカニクス分野では、すでに提携関係にある光学メーカーのメオプタ・オプ
ティカ(米カーライルがこの夏に完全買収)のほか、チェコ工科大学、HiLase
(チェコ科学アカデミー物理研究所を構成する研究機関)と協力する。オプトメカ
ニクス設備の構造部品にステンレス鋼やグラナイトの代わりにCFRPを活用する。半
導体業界のクリーンルームで使えるようにするのが目標。
水素燃料タンクでは国立航空宇宙技術コンピテンシーセンター(NaCCAS)が主導す
るプロジェクトに参加。コンポテックの先進的なワインディング技術を活用して、
タンクの一番内側の樹脂層がないライナーレスの高圧タンクを開発する。機体に組
み込む形となるため、従来のタンクとは形が異なり、さらに機体の強度を担保する
役目も負う。国内の航空機メーカー、ディスタルのモーターグライダー「ランバ
ダ」やこれに類似するモデルの機体に組み込むことを前提に開発を進める。
メカトロニクス分野では、国立機械工学メカトロニクス・スマート技術コンピテン
シーセンター(NCK Mestec)のプロジェクトに参加し、チェコ工科大の機械工学科
の機械・バイオメカニクス・メカトロニクス研究チームと提携する。軽量かつ高剛
性の複合材構造部品とメカトロニクス技術を活用して、自動車の自動生産ラインの
稼働効率を高める。
コンポテックによると、同社は自動搬送ライン設備を製造する独ビルシングオート
メーションとの提携を通して以前から製造業の自動化部品分野で実績を積んでき
た。

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