ロシア国営ガスプロムはこの冬、ハンガリーに天然ガスを継続して追加供給する。
アレクセイ・ミレル最高経営責任者(CEO)がテレビ局「ロシア1」のインタビュー
で明らかにした。今年の追加供給量はすでに13億立方メートルに達しているが、春
が来るまで従来と同じ条件で追加供給を続けることで合意したという。
ハンガリー電力最大手MVMのガス輸入子会社MVM CEエナジーは2021年9月にガスプロ
ムと長期調達契約を結んだ。セルビア・オーストリア経由で年間45億立方メートル
を輸入している。
バルト海パイプライン「ノルド・ストリーム」が爆破された後の昨年10月にはトル
コ・ストリームからブルガリア、セルビアを経由して追加調達する契約が成立し
た。
ガスプロムは対ウクライナ全面侵攻後に縮小した対欧輸出を補うため、他国・地域
への出荷を増やす機会を探っている。ハンガリーは欧州連合(EU)・北大西洋条約
機構(NATO)の加盟国であるが、侵攻後もロシアとの友好関係を保っている。先
週、「一帯一路」サミット出席のため訪中していたプーチン大統領とオルバン首相
が同地で会談し、関係維持を確認した。
ガスプロムは中国とも年内の天然ガス追加供給で合意したが、その量は6億立法
メートルと、長期契約で定められた年間供給量(220億立法メートル)の3%相当に
とどまった。