横河電機、ポーランド最大のごみ焼却発電所に燃焼制御ソリューション導入

横河電機は24日、ポーランド法人を通じ、クラクフ市のごみ焼却発電所に高性能燃
焼制御ソリューション「FuzEvent」を導入したと発表した。同ソリューションは横
河電機のデンマーク子会社、デュブリックス・テクノロジー(Dublix
Technology)が開発したもの。導入により効率が改善され、ごみ焼却量は2.5%
(年間で最大5,500トンに相当)増えた。ごみ発電に必要な蒸気の流量も安定し、
より多くの電力と地域暖房を同市に供給できるようになった。
ごみ焼却発電所はごみを燃やしたエネルギーで蒸気を発生させ、タービンを回して
発電する。近年はより広域からごみを集めるようになっており、含まれる成分や水
分にはばらつきが大きい。このためごみの燃焼エネルギーが一定ではなく、従来の
PID制御法だけでは安定した制御が難しくなっている。
FuzEventは燃焼プラントへのセンサーの追加やシステムの変更、高額な改修などを
伴わず、既存の制御システムに統合して一元的な管理を行う。ごみの燃焼を常に安
定化させることでプラントの処理能力を最大化し、焼却量と、生産する電力および
地域暖房のエネルギー量を増やせる。
2016年に稼働を開始したクラクフごみ焼却発電所はポーランド最大の焼却発電所。
家庭ごみの処理能力は年間24.5万トンで、ほかに年10万メガワット時の電力と100
万ギガジュールの熱を生産する。発電した電力は政府の認証を受けたうえで国の電
力網に供給販売される。

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