大宇E&C、中東欧の原発事業を本格化

韓国・大宇エンジニアリング・アンド・コンストラクション(大宇E&C)はこのほ
ど、中東欧原発事業を本格化すると発表した。エネルギー価格の先行きが不透明な
ことを受け、欧州の原発需要が上向いているためだ。小型モジュール式原子炉
(SMR)分野でも受注を目指す。
同社はすでに、韓国水力原子力発電(KHNP)率いる韓国企業連合に参加し、チェコ
とポーランドの商用原発建設入札に向けて準備を進めてきた。スロベニアのクル
シュコ原発における中・低レベル放射性廃棄物貯蔵施設の建設でも受注を狙ってい
る。今年6月に応札の受付が始まり、年内には優先交渉先が選定される見通し。大
宇E&Cは、貯蔵施設入札への参加を通じてクルシュコ原発2号機の受注に布石を打つ
方針だ。
同社はルーマニアのチェルナヴォダ原発3、4号機建設入札にも参加する意向で、準
備を進めている。同原発で稼働する1、2号機はいずれもCANDU炉(カナダ型重水
炉)で、大宇E&Cが設置に関わった韓国のウォルソン(月城)原発と同型だ。専門
家らは、この経験から同社が技術的競争力を備えていることは明らかとみる。
大宇E&Cはまた、ルーマニア政府が小型モジュール炉(SMR)の建設も推進する姿勢
であることを受け、同国市場への参入を積極的に進めていく計画だ。
東欧市場におけるSMR需要が次第に拡大すると予想されることから、大宇E&Cは国内
外の企業との協力体制を整えている。重点市場とみられるポーランド、エストニ
ア、チェコの3カ国ではすでにサプライチェーン構築に向けて提携を結んでおり、
先月にはポーランドで支店を開設した。

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