韓国LGら、バッテリーセルのトルコ合弁生産計画を破棄

トルコの複合企業コチ・ホールディングは10日、米フォードおよび韓国LGエナジー
ソリューション(LGES)と合弁で、アンカラ近郊に商用電動車(EV)向けバッテ
リーセル工場を設ける計画を撤回したと発表した。金利上昇や景気の先行き不透明
感を受けた判断だ。ただ、将来的に提携する可能性はあるとしている。
三社は今年2月に合弁生産に向けて趣意書を交わしていた。フォード・オトサンの
コジャエリ工場で生産するフォードの小型商用EV「Eトランジット」向けに2026年
からバッテリーセルを供給する計画だった。
コチ・ホールディングは「EVの普及ペースから、今は投資を行うタイミングではな
いと判断した」と説明。「フォードとは今後もEトランジット生産で提携を継続す
る」とし、将来的なバッテリーセル合弁生産に含みを残した。
LGESは、三社が計画破棄で一致したと発表。自社の既存拠点からEトランジット向
けバッテリーセルを供給する計画を、フォードと共同で策定していることを明らか
にした。
LGESはフォードのほか、ゼネラルモーターズ(GM)、テスラなど多くのメーカーに
バッテリーを供給しているが、先月、売上成長が来年鈍化する見通しを発表した。
金利上昇による借り入れコストの増大や、中国や欧州における景気減速が自動車購
入の判断に影響するという懸念が業界企業の間で広がっており、今回の三社もその
輪に加わった格好だ。

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