ロシアの非金属大手ノリリスク・ニッケルは先ごろ(13日)、シベリアのノリリス
ク工業地区における小型モジュール炉(SMR)の設置を検討することで、ロシア原
子力公社(ロスアトム)と基本合意したと発表した。適した立地を探すとともに、
SMRの設置条件や建設・稼働に必要なインフラについても調査する。
ノリリスクは北極圏内にある工業都市で、ロシアの電力システムと接続していな
い。このため、安定性が特に高い供給システムが必要だ。ノリリスク・ニッケルは
戦略開発計画に基づき、発電能力新設の可能性の一つとして小型の発電所を有力視
している。
一方、ロスアトムは遠隔地の電力需要に応えるため、SMRに力を入れている。アレ
クセイ・リハチェフ社長は、子会社OKBMアフリカントフの開発した加圧水型原子炉
「RITM-400」(出力80〜90メガワット)を有力候補の一つとみている。
今回の合意に基づき、両社は◇可能な選択肢の審査◇新原発の設置に適した場所を
選定◇プラントの構成◇建設・稼働に必要なインフラの特定◇プロジェクト実行に
最適なモデルの選定——を共同で進めることとなった。