カザフスタン中央銀行と国立決済会社(NPC)は21日、通貨テンゲのデジタル通貨
(CBDC)発行を開始したと発表した。CBDCプラットフォームのバイロット稼働に伴
うもので、すでに15日に初めて決済手段として利用されたという。2025年までに使
用範囲を拡大し、国際決済なども利用できるようにする計画だ。当局はCBDCの導入
で、日々の決済手続きを効率化するとともに汚職を防止できるとみている。
NPCのビヌル・ザレノフ社長によると、CBDCは政府支出の透明性向上にも役立つ。
支出の用途を限定できるためだ。一旦決済に使われると、この限定が外れるように
なっている。
一般消費者も、子どもがCBDCで酒やたばこを買えないようにプログラミングでき
る。また、CBDCは支払う側と受け取る側の双方がオフラインでもやりとりでき、通
信網の整備が遅れている地域でも使える。
ザレノフ社長は、中国のデジタル人民元での経験をデジタル・テンゲの開発に生か
したと指摘し、将来的に「カザフスタンでも中国のように生体認証を通じて決済で
きるようになるかもしれない」と話した。
カザフスタンのデジタル決済の普及度は高い。カスピバンクの「e-wallet」アプリ
が浸透し、簡単な支払いにも利用されるほどだ。しかし、取引時の決済用途を「寄
付」とすることによる課税逃れが横行し、小売店とタクシー運転手は21年の法律で
同アプリの登録を業務用と個人用に分けることが義務付けられた。
このような経緯のため、CBDCが「誰がいつ、どこで、何に金を使ったか」を調べら
れる手段として導入されるのではという、うがった見方も存在する。