ポーランドの石油大手オルレンは11日、グループ会社PGNiGノルウェーを通じ、同
国のホリゾント・エナジーがバレンツ海で進める二酸化炭素(CO2)の回収貯留
(CCS)事業「ポラリスCCSプロジェクト」の権益50%を取得すると発表した。オル
レンは全社的なCO2排出削減に向けた取り組みの一環でCCSおよび再利用(CCU)の
事業化に乗り出している。数年以内にCCS/CCUサービスを開始する予定だ。
ポラリスのCO2貯留容量は推定約1億トン。最長25年間の運用が見込まれている。ホ
リゾントはノルウェー北部で、天然ガス由来の水素を利用したアンモニア工場の設
置を計画しており、アンモニア生産で大量に発生するCO2をポラリスに貯留する意
向。計画では2028年末か29年初めにCO2の圧入を開始する。
オルレンは30年末までに、製油・石油化学・上流事業の排出量を25%削減する目標
を掲げる。CO2のCCS/CCU事業は同目標に沿ったもので、同年までに年間300万トン
のCCS/CCU能力を整備する。これにより自社の排出量削減だけでなく、サービスの
提供を通じて鉄鋼、肥料、セメントメーカーなど他社の排出削減にもつなげる狙い
だ。