BRICS、ブロックチェーンベースの独自決済システムを準備

ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの新興5カ国などから成るBRICSが、
ブロックチェーン技術に基づく独自の決済システム「BRICSペイ」の立ち上げを準
備している。国際決済ネットワーク「国際銀行間通信協会(SWIFT)」以外の選択
肢という位置付けで、それぞれの自国通貨で決済できる。各国が導入あるいは近く
導入する計画の中央銀行デジタル通貨(CBDC)にも対応させる意向だ。
ロシアのユーリ・ウシャコフ大統領補佐官は先月、タス通信に対し、今年の課題が
国際通貨・金融システムにおけるBRICSの役割を強化することにあると話した。そ
れに向けて、BRICS加盟国は昨年のヨハネスバーグ宣言で、自国通貨での決済拡大
と、銀行ネットワークの強化を通じた国際決済手段の確保に務める立場を明らかに
したと指摘した。BRICSペイはその流れに位置付けられる。
ロシアは欧米による制裁の対抗策の一つとして、米ドルに依存しない国際金融シス
テムの構築をBRICSと共同で進めたい意向だ。実現すれば、SWIFTから国内の一部銀
行が排除された影響に直接対処する形となる。
脱米ドルの試みでは、対ウクライナ侵攻のはるか以前から、国際決済における米ド
ル決済を減らすなどの措置をとってきた。すでに「友好国」との取引の75%をルー
ブルあるいは取引先通貨建てで決済している。
ロシアはCBDCの導入も急いでいる。昨年8月には商業銀行数行も参加する実用試験
の第2段階に入った。来年の本格導入を目指している。
ロシアは今年BRICSの議長国を務め、この夏のBRICS首脳会議をカザンで主催する。

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