欧州における水素燃料電池バスの普及を目指すJIVE(ジョイント・イニシアチブ・
フォー・ハイドロジェン・ビークルズ・アクロス・ヨーロッパ)が今月から、ルー
マニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ブルガリア、ギリシャの4カ国で、水素バス
の普及を目的とするイベント「水素バスCEEロードショー」を開催する。9都市の公
共交通事業者に燃料電池バスを提供して、テストや実証に用いてもらう。燃料電池
バスの長所をアピールし、導入の懸念を払しょくするきっかけになるとみている。
今回のロードショーは3回目。第1回は22年11月から23年1月まで、テスト用車両を
スロベニア、クロアチア、チェコ、スロバキア、ハンガリーの9都市へ順々に提供
し、総走行距離は1,641キロメートル上った。第2回は23年9月から10月半ばまで、
ポーランド、リトアニア、ラトビア、エストニアで実施された。総走行距離は
1,450キロだった。
過去2回のロードショーでは、参加した都市のほとんどで燃料電池バスの導入が正
式に決定された。
JIVEは欧州5カ国の関連業界企業・団体が参加し、水素燃料電池バスの普及に取り
組んでいる。公共交通機関の導入決定をうながして生産台数を増やすことで価格を
引き下げ、経済性を高めるのが目的の一つだ。これにより需要が刺激され、さらな
る発注につながる好循環を狙う。
欧州連合(EU)のニューホライズン2020政策の一環として、3,200万ユーロの助成
を受けている。