独自のグリーン水素生産技術を手がけるエストニアの新興企業スターゲート・ハイ
ドロジェン(Stargate Hydrogen)がこのほど、シード・ラウンドで4,200万ユーロ
を調達した。国内投資会社UGインベストメンツによる投資と、「欧州の共通利益に
適合する重要プロジェクト(IPCEI)」の枠組みからの補助金がその多くを占め
た。スターゲートはこの資金を活用し、事業を拡大する予定。
同社は、安定性・耐久性に優れるアルカリ水電解技術をベースに、既存触媒より活
性の高い新たなセラミック触媒を組み合わせた。また、開発に当たっては、リチウ
ムイオン電池の開発サイクルが短かったことを念頭に置き、業界における変化に対
応できるよう、電解システムを水電解セルスタックの形でモジュール化した。これ
らが奏功し、水素の生産コストを1キロ当たり1ユーロまで引き下げられる見通しと
いう。
スターゲートの知的財産(IPポートフォリオ)は、材料から電極、スタック、プラ
ント管理システムまで、システムのすべてのレベルをカバーする。
すでに同社の水電解技術は実用化されており、エストニアの再エネ・地域冷暖房事
業者ウティリタスなどを長期供給顧客として獲得している。
なお、スターゲートはこのほど、ウルトラキャパシタを開発製造するスケルトン・
テクノロジーズの創業者で最高経営責任者(CEO)のターヴィ・マディベルク氏を
社外取締役に迎えた。