ロシア高級車メーカーのアウルス(Aurus)がサンクトペテルブルクの旧トヨタ工
場(TMR-SP)で大型リムジン「セナ—ト」の生産を行うもようだ。デニス・マン
トゥロフ副首相兼産業通商相の発言として、7日付のロイター通信が伝えた。年内
に生産が開始される予定という。
セナ—トは旧ソ連のリムジン「ZIL」のスタイルを踏襲したクラシカルなモデル。
プーチン大統領の公用車として知られる。今年2月には北朝鮮の金正恩総書記に1台
が贈られている。
トヨタはウクライナ戦争勃発後の2022年3月、部品調達ができなくなりTMR-SPの操
業を停止した。その後も再稼働できる態勢を維持してきたが、9月、戦争の長期化
に伴い事業の見通しが立たなくなっていることを理由に同工場での生産事業終了を
発表した。昨年3月にはTMR-SPをアウルスの親会社で国営の中央自動車エンジン科
学研究所(NAMI)に譲渡した。 アウルスは21年、国内メーカーのソレルスがタタ
ルスタン共和国に持つソレルス・エラブガ工場で自社モデルの生産を開始した。こ
れまでに40台が販売されている。同社にはNAMIが63.5%、アラブ首長国連邦のタワ
ズン戦略開発基金が36%、ソレルスが0.5%を出資する。