中国の習近平国家主席は9日、訪問先のハンガリーでヴィクトル・オルバン首相と
会談し、インフラプロジェクトなど18の協力協定に署名した。同国訪問は5年振り
となる欧州歴訪の最終行程。フランス、セルビアを経て8日にブダペスト入りし
た。ハンガリーには両国の外交樹立75周年を記念して10日まで滞在する。
ハンガリーのシーヤールト外務貿易相は署名されたインフラプロジェクトの例とし
て、◇中国企業が多く進出している同国東部から西部への製品輸送を支えるブダペ
スト周辺の鉄道支線（V0線）の敷設工事◇リスト・フェレンツ国際空港とブダペス
ト中心部を結ぶ高速鉄道整備と、電気自動車（EV）充電網の構築◇原子力分野での
協力拡大——などを挙げた。また、EV・電池大手の比亜迪汽車（BYD）が2025年か
ら南部のセゲドで生産を開始する見通しを明らかにした。
オルバン首相は習主席との会談後の記者会見で、両国の関係は「数十年にわたる継
続的で途切れのない友情の物語」だと持ち上げるとともに、台湾問題を踏まえ、ハ
ンガリーは常に「一つの中国」原則を支持していると明言した。また、中国の経済
発展の営みに参加できることは光栄であり素晴らしい機会となると述べ、政府は引
き続き、ハンガリーに投資する中国企業に対し公正な条件を確保するとした。
同首相は、二国間貿易が昨年までの20年間で約4倍の120億ドルに増えており、現在
も中国企業による6兆4,000億フォリント（165億ユーロの）の投資が進行中だと指
摘した。