トルコ国営の天然ガス輸送会社ボタシュ(Botas)は8日、米ワシントンで同国のエ
ネルギーメジャー、エクソンモービルと液化天然ガス(LNG)の調達契約を結ん
だ。トルコのアルパルスラン・バイラクタル・エネルギー相はX(旧ツイッター)
で、調達先を多様化し、ロシア産ガスへの依存を軽減するための措置と狙いを説明
した。同相によれば「長期にわたり調達する計画」だが、その詳細は未公表だ。
バイラクタル・エネルギー相は先月末、英『フィナンシャル・タイムズ』紙の取材
に対し、「特定国への依存を弱めるため」調達構造を変える意向を明らかにした。
当時、エクソンモービルと年間最大250万トンのLNG調達で交渉中で、契約期間が10
年にわたることもありうるという見方を示していた。現行価格を基に計算した年間
購入費は10億米ドルを超える。
トルコは天然資源に乏しく、石油・天然ガスを輸入に頼っている。2023年のガス輸
入に占めるロシアの割合は40%、イランは17%、アゼルバイジャンは16%。ロシア
との長期契約のうちいくつかは25年、イランとの契約は26年に期限を迎える。
米国からの輸入は22年に10%だった。23年はスポット市場を通じて同国から500万
トンを調達している。
仮にエクソンモービルとの契約を通じて年250万トンを輸入したとすると、これは
23年のトルコ需要の約7%に相当する。