スロバキア政府は15日、新たな原子炉を建設する計画を承認した。同国西部のボフ
ニツェ原発に出力1,200メガワット(MW)の原子炉を新設する。10月末までに詳細
を詰める予定。スロバキアには同原発とモホウツェ原発があり、稼働する原子炉計
4基はすべて旧ソ連製となっている。
スロバキアは電力の約59%を原子力発電で賄っている。昨年9月の総選挙では親ロ
シアの左派ポピュリズム政党「スメル」が勝利したが、デニサ・サコヴァー経済相
はロシア原子力公社(ロスアトム)を発電所建設の入札から除外する方針を示して
いる。
両原発を運営する電力大手スロベンスケ・エレクトラルネ(SE)には政府が34%を
出資する。残る66%は伊エネルとチェコ電力持ち株会社EPHの折半出資会社スロバ
ク・パワー・ホールディングが保有している。
スロバキアを含む中欧諸国は原子力発電の拡大に動いている。チェコでは現在、最
大4基の原子炉増設が検討されており、仏EDFと韓国のKHNPが入札の最終候補者と
なっている。ポーランドは初の原発建設で米ウェスチングハウスと合意した。ハン
ガリーではロスアトムが5号機と6号機の建設を予定している。