露裁判所、ドイツ銀とコメ銀の資産を差し押さえ

ロシア・サンクトペテルブルクの仲裁裁判所は、独金融大手ドイツ銀行とコメルツ
銀行がロシアに持つ資産の一部差し押さえを命じた。両行はロシア西部ウストルガ
の天然ガス液化プロジェクトに参画していた独米資本の工業ガス大手リンデの保証
人となっていた。リンデはロシアのウクライナ軍事進攻を受けて、同プロジェクト
への関与を停止している。
18日付の『ロイター通信』によると、訴訟を起こしたのは、ロシア国営天然ガス大
手ガスプロムの傘下企業であるルスキムアライアンス(RusKhimAlyans)。同社は
昨年7月、ドイツ銀とコメ銀を相手取り損害賠償訴訟を起こしたと報じられてい
た。
仲裁裁判所は今回、ドイツ銀に対し、現地子会社とテクノロジーセンターの授権資
本に対する全権益の行使を禁止するとともに、有価証券や不動産、銀行口座につい
て最大2億3,860万ユーロの差し押さえを命じた。同銀はすでに約2億6,000万ユーロ
の引当金を計上している。
コメ銀に対しても、資産や有価証券、モスクワ中心部にある同行の建物など9,370
万ユーロ相当を差し押さえた。また、伊ウニクレディトにも同様の命令を出してい
る。

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