オーストリア石油大手OMVのルーマニア子会社OMVペトロムは11日、バイオ燃料の生
産に7億5,000万ユーロを投資すると発表した。国内中南部プロイェシュティのペト
ロブラジ精製所に持続可能な航空燃料(SAF)と再生可能ディーゼル(HVO)の工
場、および生産に使用するグリーン水素の製造施設を設置する。副産物を含めた年
産量は25万トン。完成すると、同社は南東欧最大のバイオ燃料生産者となる。
SAFとHVOの工場設置には5億6,000万ユーロを振り向ける。2028年に稼働予定で、バ
イオナフサやバイオLPGなどの副産物も生産する。SAFの原料には地元産の菜種油を
用いる。
工場で消費される年間約1万1,000トンの水素の大半はグリーン水素の製造装置から
供給する。同装置には1億9,000万ユーロを投じ、そのうち最大5,000万ユーロを欧
州連合(EU)の欧州基金からの支援で賄う。発電能力は55メガワット(MW)で、年
産量は約8,000トン。グリーン水素を用いてSAFやHVOを生産することで、従来の燃
料と比べて二酸化炭素(CO2)排出量を70%以上削減できる。
ペトロブラジ精製所は年間で450万トンの処理能力を持つルーマニア有数の石油化
学施設。同国の精製所としては初めてSAFとHVOの生産でISCC(国際持続可能性カー
ボン認証制度)の認証を取得している。