露と印が原子力分野で協力強化、原子炉増設やSMR導入などで

ロシアとインドが民生用原子力分野で協力を深める。モスクワで9日に行われた露
プーチン大統領と印モディ首相の首脳会談後に発表された共同声明には、原子力エ
ネルギーは両国間の「戦略的提携関係における重要な要素」だと明記。インド南部
タミルナド州のクダンクラム原発など、複数のプロジェクトに触れられている。
ロシア国営原子力公社(ロスアトム)が建設を引き受けるクダンクラム原発では現
在、原子炉2基が稼働している。さらに4基を設置する予定だが、度重なる遅延によ
り完成の目途が立っていない。会談では問題を解決するため、双方がスケジュール
を取り決めて順守していくことが確認された。ロシア側はインド国内の別の場所に
も原発を建設したい意向とされる。
声明には次世代のロシア型加圧水型原子炉「VVER-1200」の導入検討も盛り込まれ
た。クダンクラム原発では旧世代型の「VVER-1000」原子炉が建設されている。ロ
スアトムのリカチェフ最高経営責任者(CEO)は、船舶用を含む様々なタイプの小
型モジュール炉(SMR)の導入もインド側に提案したという。
声明ではこのほか、使用済み核燃料の処理と再利用、原発用部材の現地共同製造も
検討するとしている。

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