ベルギーの不動産デベロッパーVGPは10日、クロアチアのロボタクシーメーカー、
ヴェルヌ(Verne、旧P3M)向けに自律型電気自動車(EV)の量産工場を整備すると
発表した。VGPがザグレブ近郊に持つ8ヘクタールの用地から2万8,500平方メートル
分をヴェルヌにリースする。7-9月期中に着工する予定。ヴェルヌは2026年のロボ
タクシーサービス開始を目指している。
ザグレブ中心部から南西に10キロのルチェコ(Lucko)に新工場を建設する。建築
物の環境認証制度「BREEAM」の上から2番目に当たる「Excellent」評価を満たすた
め、建物屋上に太陽光発電システム、駐車場にEV用充電設備を設置する。
ヴェルヌはクロアチアの高級電気自動車(EV)メーカー、リマック・アウトモビリ
の姉妹会社。ザグレブの都市モビリティ整備計画の一環として、自律走行可能なEV
ロボタクシー、専用インフラ、サービスプラットフォームの3つからなる循環型の
事業モデルを構築している。26年のザグレブでのサービス開始に続き、英国とドイ
ツでも事業を展開する計画。本社はザグレブだが、研究開発(R&D)拠点は英ワー
ウィック近郊にあるリマックのR&Dセンター内に置き、エンジニア約100人を雇用
している。
先月26日にはロボタクシーの第1号モデルを公開した。同モデルは自動運転システ
ムにイスラエル企業モービルアイの「Mobileye Drive」を採用している。2人乗り
の小型サイズながら、ハンドルやペダルなどが無いため高い快適性を備える。
ヴェルヌにはリマックグループのほか、韓国・起亜自動車、サウジアラビア政府系
ファンドPIF傘下の投資会社TASARUモビリティ・インベストメンツが出資してい
る。