露IT大手ヤンデックスの親会社である蘭ヤンデックスNV(YNV)は15日、ロシアの
全資産を同国投資家グループに売却する手続きが完了したと発表した。取引額は約
54億米ドルで、現金および株式を代金として受け取った。今回のケースは、ロシア
が対ウクライナ軍事侵攻を開始した2022年2月以降の企業撤退として最大規模だ。
取引は2段階に分けて行われた。5月にまず、株式の約68%を手放した。今回は残る
約28%を売却し、現金28億ドルと自社のクラスA株式1億6,250万株を受け取った。
YNVは、人工知能(AI)にかかわりが深い◇クラウド◇データラベリング◇自動運
転車◇エドテック——の4事業を新社名「ネビアス(Nebius)グループ」のもとで
継続する。露ヤンデックスによれば、YNVは来月初めから「ヤンデックス」の名称
を用いることを中止する。ヤンデックス創業者の一人であるアルカディ・ヴォロジ
氏が「ネビアス」の最高経営責任者(CEO)として経営に復活する。
YNVがロシアと手を切ったことで今後、米ナスダックにおけるYNV株の取引再開に注
目が集まりそうだ。YNVの発表によると、今回の取引で取得したクラスA株式は自己
株式として保有する。クラスA・B株式の流通総数は1億9,900万株に上る。
ロシアのヤンデックス事業は24日からモスクワ証券取引所で取引が再開される。こ
れに伴い、新しいティッカー(銘柄コード)「YDEX」が採用される。