韓国水力原子力発電会社(KHNP)は17日、チェコ・ドゥコヴァニ原子力発電所の拡
張プロジェクト入札で競合の仏EDFを破り、最低2基の工事を落札した。韓国の原子
炉受注は2010年以降で初めて。今後の独占交渉で受注基数、金額などを詰め、来年
3月に正式契約を結ぶ見通しだ。交渉次第では、テメリン原発での2基新設をKHNPが
同時受注する可能性もある。政府によると、KHNPの提示額はドゥコヴァニ原発の2
基受注の場合で2,000億コルナ(約72億米ドル)だった。
チェコ政府は炭素中立化に向けて、石炭火力発電を33年までに中止し、原子力およ
び再生可能エネルギーへ切り替える戦略を掲げる。このため、原子力、再エネとも
に容量を倍増させる計画だ。
現在、ドゥコヴァニ原発では原子炉4基(出力:各510メガワット[MW])が、テメ
リン原発では2基(各1,000MW)が稼働し、国内需要の3分の1以上をまかなってい
る。ドゥコヴァニ原発の新炉は、2036年に1基目が、38年に2基目が試験稼働する予
定だ。
チェコはもともと新炉1基を対象に入札を進めていた。しかし、ペトル・フィアラ
首相が1月末、発注数が多いほど1基当たりの費用が少なくなるとして、入札条件を
「最大4基」に突然変更した経緯がある。