ロシアの動画投稿サイト「ルーチューブ」、視聴者が倍増

ロシア版ユーチューブといわれる動画投稿サイト「ルーチューブ(RuTube)」の視
聴者(国内に住む12歳以上)は今年7月、440万人となり、前年同月実績の2.1倍に
拡大した。しかし、ユーチューブは9.4%増の5,560万人と、動画サイトランキング
で1位をキープ。国内競合のVKビデオも5%増の5,470万人でルーチューブを大きく
引き離している。
2022年2月の対ウクライナ侵攻を機に、ユニバーサル、ディズニー、ソニー、ネッ
トフリックスといった西側大手メディア企業が撤退したが、そのコンテンツが不正
にルーチューブで公開されていることが視聴者数を押し上げているもようだ。昨年
7月にはネットフリックスの人気ドラマ『ウィッチャー』、『ブラック・ミ
ラー』、『クイーンズ・ギャンビット』、昨秋にはロシアで公開されなかった劇場
映画『バービー』(ワーナー・ブラザース)、『オッペンハイマー』(ユニバーサ
ル)の海賊版が登場。今年5月にも『デューン 砂の惑星 PART2』(ワーナー・ブラ
ザース)が不正に配信された。
なお、ロシアでは先月末以来、ユーチューブの通信速度が小さくなっており、現在
は従来の30%ほどのスピードしかない。政府は「法律違反」が理由と説明している
が、インターネットを外国から切り離す試みの一環という見方が有力だ。石油、天
然ガス、金属、電力などに続く重要分野として、インターネット業界でも大手企業
を直接・間接に管理下に置くことを目指しており、電子商取引(EC)最大手のワイ
ルドベリーが先月、企業規模が格段に小さい屋外広告会社ルスと合併したのも、そ
の延長線上に位置づけられる。

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