米半導体大手のインテルはポーランドでの半導体工場の建設計画を一時停止する。
需要低迷により売り上げが減少していることが理由。パット・ゲルシンガー最高経
営責任者(CEO)は16日、ブログへの投稿で「市場予想に基づき、プロジェクトを2
年間延期する」意向を明らかにした。独東部のマグデブルクに2工場を建設する計
画も先送りする。
インテルは昨年6月、欧州での生産体制を拡充するため、ポーランド南西部のブロ
ツワフに半導体チップの組立・検査施設を設置する計画を発表した。投資額は最大
46億米ドルで、同国史上最大のグリーンフィールド投資となる見通し。
ゲルシンガーCEOの投稿は、同プロジェクトに対する17億ユーロ以上の公的支援を
欧州連合(EU)から承認されたのを受け、ポーランド政府が年内の着工を期待して
いると表明した数日後に行われた。同国デジタル省は直後に発表した声明で、今回
の決定について同CEOから「世界的な財務状況の悪化を受けたものだ」との説明を
受けたと明らかにするとともに、「デジタル省は今後数カ月、ポーランドでの他の
半導体関連の投資を支援する用意がある」と強調した。
インテルは4月、2023年12月期に製造部門が前期比で31%の減収となり、70億ドル
の損失を計上したと発表していた。