キルギス、チタン開発をスタート

キルギス北東部のイシク・クル州にあるクズル・オンポル鉱山で9月25日、巨大な
チタノマグネタイト(チタン磁鉄鉱)鉱床の開発がスタートした。アキルベク・
ジャパロフ首相によると、鉱床開発を通じて880億米ドルの利益が得られる可能性
があるという。キルギスの国内総生産(GDP)が136億ドルであることからしても、
経済への貢献が期待される。
『スプートニク・キルギスタン』の報道として地元メディア『24.kg』が伝えたと
ころによると、キルギスはスポンジチタンを製造し、中国へ輸出する計画だ。スポ
ンジチタンは現在、1トン当たり8,000ドル前後で取引されており、中国との貿易不
均衡の是正に役立つと見込まれている。
キルギスは第一段階として酸化チタン原料を中国へ出荷。その後、国内で製錬でき
る体制を作り、チタン精鉱を輸出する計画だ。イシク・クル州と国境を接する中
国・新疆自治区のウルムチにある工場の代表はすでに、キルギスからチタン精鉱を
調達する用意があることを表明しているという。
チタノマグネタイト鉱床のあるクズル・オンポル鉱山タシュ・ブラク鉱区を開発す
るのは、鉱業公社キルギスアルティンだ。同鉱区のチタン埋蔵量は推定1,300万ト
ンで、可採埋蔵量は1,100万トン前後とみられている。
キルギスアルティンはタシュ・ブラク鉱区でチタノマグネタイトのほか、ジルコニ
ウム、リン、トリウム、ウランの採鉱免許を保有する。2019年に同鉱区のウラン鉱
床開発に反対する運動が広がったことを踏まえ、ジャパロフ首相はチタノマグネタ
イト鉱床から産出されるウラン、トリウムなど他の鉱物を国際的な保安規準に則
り、搬出すると約束した。

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