ルーマニアのセバスティアン・ブルドゥヤ・エネルギー相は9日、遅延が続くタル
ニツァ・ラプシュティ揚水発電所の建設プロジェクトに関し、完成に向けて仏電力
公社(EDF)と伊藤忠のコンソーシアムと協議していることを明らかにした。両社
は資金を拠出し、実現可能性調査を実施したうえで発電所の設計と施工を行う用意
があるという。建設費用は10億ユーロと見積もられている。
タルニツァ・ラプシュティ揚水発電所は1979年、クルジュ・ナポカから30キロメー
トル離れたソメシュ川沿いに1,000メガワット(MW)の水力発電所を設置するもの
として計画された。以来45年間に渡り未完成のままだが、政府はエネルギー安全保
障や最適な電気料金、再生可能エネルギーの大規模な活用および貯蔵の観点から最
重要のエネルギープロジェクトに位置付けている。
2015年には建設工事の予備入札が行われ、中国企業5社が参加したが、政府は1年
後、プロジェクトを中止する方針を示していた。ブルドゥヤ・エネルギー相はフェ
イスブックへの投稿で、「EDFと伊藤忠は同事業に関心を持っている。大規模プロ
ジェクトにはそれを理解し、実行できると証明された、真剣で安定した信頼に足る
パートナーが必要だ」と述べた。