音声テストで認知症を早期発見、健康寿命延伸への寄与に期待

ポーランドの新興企業ヴィヴィッド・マインド(Vivid Mind)が、認知症の早期発
見に役立つ音声テストを開発した。人工知能(AI)と音声プロセス技術を活用する
もので、スクリーニングに役立つと期待される。軽度認知障害(MCI)の段階で患
者を見つけ出せれば、発症を遅らせられる可能性がある。
認知症の初期症状には、発声に必要な筋肉をうまくコントロールできないなど、発
音に関係する能力の低下が含まれる。ヴィヴィッド・マインドの検査は、母音を延
ばして発音した時の声を分析。高度なAIアルゴリズムの助けで、健康な人と初期の
認知症患者の微妙な差を正確に区別できるという。すでに特許を取得済みだ。
この検査は分析対象が母音の発音なため、言語・文化に関係なく、世界のどこでも
使える。医療助手・看護師が現地にいれば、検査をリモートで実施することもでき
る。従来のテストよりも簡単なため、米国では高齢者のMCI検査の受検率を現行の
20%から50%以上に引き上げられるとみられている。
ヴィヴィッド・マインドの検査結果と、認知症の進行に関するデータを合わせて分
析すると、ヴィヴィッド・マインドの検査で、認知症発症8年前の早期診断が可能
だと推測される。ランセット認知症予防委員会の2017年の調査によると、症状が
はっきりと出る前に対処すれば、患者の最大50%で認知症の発症を遅らせられると
いい、健康寿命の延伸への寄与が期待される。
ヴィヴィッド・マインドは近く、投資家や、提携候補企業、保健機関、報道関係者
と面談するため米国を回る計画だ。
ヴィヴィッド・マインドの創業者の一人であるダリウシュ・ヴィアトル氏はポーラ
ンド人。ウォートン大学を卒業し、アクセンチュアやマッキンゼーなどコンサル
ティング大手で10年以上、働いた後、母国へ帰って認知症の母を介護した経験があ
る。

ヴィヴィッド・マインド社ホームページ
https://vividmind.health/en

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