SITA、ルーマニアに技術ハブを新設

スイス・ジュネーブに本拠を置く国際航空情報通信機構(SITA)は10日、ルーマニ
アのクルージュ・ナポカに技術ハブを新設すると発表した。空港・航空サービス業
務のデジタル化に貢献する狙い。デジタル化が手続きの効率化だけでなく、環境負
荷の低減、スムーズな搭乗体験の提供につながるとみている。
新設ハブは、英ロンドン、アイルランドのレタケニー、印ニューデリーのハブと協
働し、旅客処理・トラベルテクノロジーの開発に取り組む。「デジタル旅行認証
(DTC)」などの安全で拡張性があり、個人情報保護を重視したデジタル認証ソ
リューションを提供するため、作業を加速させる。
例えば次世代プラットフォーム「SITAフレックス」では、乗客がモバイル端末で
チェックインと搭乗ができるようにすることで、待ち時間が最大40%短縮する見込
み。「SITAワールドトレーサー」ではロストバゲージを77%減らすと同時に、クラ
ウドベースで運営することで二酸化炭素(CO2)の排出削減にも貢献する。
SITAの2023年版空輸ITリポートによると、空港運営者のテクノロジー投資は108億
米ドル、航空会社では345億ドルにのぼる。SITAではイノベーションの需要が極め
て大きいとみて、クラウド化、モバイル化、セルフサービス化を通じ、運営の効率
化と持続可能性の向上を目指す。

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