ロシアのIT大手ヤンデックスは24日、次世代生成型人工知能(AI)「ヤンデックス
GPT4」の導入を発表した。定型業務向けの「Lite」、複雑なタスク向けの「Pro」
バージョンともに、従来のものに比べ、応答の品質、推論能力、処理能力が格段に
向上した。文章を扱う速度も最大4倍アップ。照会の分析から調達プロセスの合理
化まで、ビジネスにおける幅広い課題に対応できるという。
ヤンデックスによると、次世代生成型AIはヤンデックス・クラウドAPIを通して提
供する。課題を解決するために小さなタスクに分けてこなしていく「連鎖思考力」
を備えたことで、仕事の精度が上がり、従来よりも複雑な業務を任せられるように
なった。長く複雑な質問に対しても、文脈を損なうことなく答えられる。検索拡張
生成(RAG)システムを導入し、回答に社内文書など外部資料も引用できるように
なった。結果として、回答の精度が上がり、誤った情報の出力(ハルシネーショ
ン)は従来の4%から2.1%へ半減した。また、回答に要する時間が半分に短縮し
た。
ヤンデックスGPT4は、自社アプリのコマンド生成用にも使える。近く、アプリ開発
者向けにコマンド生成機能を公開する予定だ。コマンド生成に必要な機能とルール
を定義すれば、GPT4が自分で判断して定義を適用する。これにより、例えば航空券
予約が手軽にできるようになるという。