米マイクロソフトは11月28日、ポーランドで100万人を対象に人工知能(AI)の使
い方を習得する研修プログラムを無料で提供すると発表した。2020年に発表した
「ポーランド・デジタルバレー」投資計画を構成するもので、来年末まで無料オン
ライン研修コースとして受講できる。
研修コースは、マイクロソフトの学習プラットフォーム「AIスキルナビゲーター」
を通じて提供する。ポーランド語以外の言語でも受講できる。同プラットフォーム
ではAIアシスタントが受講生のニーズやレベルに応じて適した講義を提案する。開
発者や経営者も含め、様々なユーザーを対象に、入門レベルから上級レベルまで
200種類以上のコースを用意し、学習・スキル到達度を評価するツールも利用でき
る。
IT市場調査会社IDCがマイクロソフトから委託して実施した「AIのビジネス機会調
査2024年」によると、ポーランドでAIを導入済みか、今後12カ月以内に導入予定の
企業・機関は77%に上る。また、マイクロソフトとビジネスSNSリンクトインが毎
年公表しているワークトレンド指数によると、ポーランドの企業経営者の53%が
「AIのスキルのない人は採用しない」、また55%が「就業経験が長いがAIスキルの
ない人よりも、経験が浅いがAIスキルがある人を優先して採用したい」と考えてい
る。現在、ポーランドの被用者でAIツールを仕事に使っている人は61%と、世界平
均の75%より少なく、今後、必要性が高まると考えられている。
マイクロソフトはすでにデジタルバレー投資計画の一環として◇中東欧初のクラウ
ドデータセンター開設◇IT、ビジネスの専門家や学生、合計43万人以上に研修を提
供——などを行ってきた。