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2010/1/6

企業情報

Daimler AG―リチウムイオン電池セルの生産拡大か―

この記事の要約

自動車大手のDaimler(シュツットガルト)が電気自動車の量産化に向けリチウムイオン電池用セルの生産を強化するもようだ。経済紙『ハンデルスブラット(HB)』が消息筋から得た情報として報じたもので、化学大手のEvonik […]

自動車大手のDaimler(シュツットガルト)が電気自動車の量産化に向けリチウムイオン電池用セルの生産を強化するもようだ。経済紙『ハンデルスブラット(HB)』が消息筋から得た情報として報じたもので、化学大手のEvonikと共同で今後2年間に2億ユーロを投資し、同社との合弁会社Li-Tecのリチウムイオン電池用セル生産規模を現在の年30万個から、2013年までに約10倍の290万個に引き上げる計画という。両社は同報道へのコメントを控えている。

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HB紙によると、Daimlerがリチウムイオン電池用セルの生産を拡大する背景には、欧州連合(EU)の排ガス規制がある。EUでは2012年からEU域内で販売される新車を対象に、走行1キロメートル(km)当たりの二酸化炭素(CO2)排出量を平均130グラムに抑制することを義務づける新規制が導入される。同規制値を達成できないメーカーには制裁金が科される。

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Daimlerは2012年にMercedes Benzの乗用車を80万台販売する計画で、同ブランドの平均CO2排出量を160グラム/kmとすると、同年に21億ユーロの制裁金を科される計算になるという。電気自動車を2012年に5万台販売すると制裁金は1億1,500万ユーロに抑えられるもようだ。

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