後発医薬品大手の独Ratiopharm(ウルム)は12月22日、2009年の営業利益(EBITDAベース)が計画を20%上回り、前年実績の約3億ユーロに達するとの見通しを明らかにした。有限会社で決算を公表する義務のない同社が利益見通しを示すのは異例。オーナーのメルクレ家が同社の売却手続きを進めていることが背景にあるようだ。
\09年の売上高も目標を上回る16億ユーロとなる見通し。ただ、08年実績の18億ユーロからは大きく後退する。
\Ratiopharmによると、公的健保組合のAOKが実施した後発医薬品の競争入札で同社は35種類の有効成分を落札し、ダントツの1位となった。Barmer/GEKなど他の公的健保の入札でも良好な成果を収めており、事業の先行きは明るいという。
\Ratiopharmは国外事業の強化などを通して売上高を2014年までに24億ユーロに拡大する目標を掲げている。売り上げに占める国外事業の比率はすでに50%を超えたという。ただ、同目標を達成するには年率8%の成長が必要なため、実現を疑問視する向きもある。
\同社の買収には金融投資会社のほか、米Pfizer、仏Sanofi、イスラエルのTevaなど競合の製薬会社も関心を示しているもようだ。『フランクフルター・アルゲマイネ』紙によると、各社の買収提示額は20億~25億ユーロに上るもよう。
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