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2010/2/10

企業情報

Deutsche Bank AG―通期決算で黒字転換―

この記事の要約

独最大手銀行Deutsche Bank(フランクフルト)が4日発表した2009年12月通期決算の最終損益は50億ユーロの黒字で、過去最高の赤字(38億ユーロ)となった前年から大幅に回復した。金融・経済危機の影響で国債・社 […]

独最大手銀行Deutsche Bank(フランクフルト)が4日発表した2009年12月通期決算の最終損益は50億ユーロの黒字で、過去最高の赤字(38億ユーロ)となった前年から大幅に回復した。金融・経済危機の影響で国債・社債の発行需要が急増し、投資銀行部門が勢いを取り戻したことが大きい。

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直近の第4四半期(10~12月)も最終黒字13億ユーロを計上し、前年同期の赤字(48億ユーロ)から改善した。同黒字額は米国子会社の損失繰り越しの効果で、税引き前利益(7億5,600万ユーロ)を大きく上回っている。同行は金融機関を対象に実施される予定の英ボーナス税に絡んで第4四半期に人件費2億2,500万ユーロを上乗せしており、これは利益の押し下げ要因となった。

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09年末時点の中核自己資本比率は12.6%で、前年末の10.1%から大幅に上昇した。経営陣は財務基盤をさらに強化したい考えで、当期配当を前年から25セント増の75セントにとどめるとしている。07年の配当は1株4.5ユーロ、06年も同4ユーロに上っていた。アッカーマン頭取は決算発表で、経済回復の足取りは依然として不安定でリスク要因も多いと述べ、先行きに慎重な見方を示した。

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