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2010/3/3

総合 - ドイツ経済ニュース

企業保有の個人情報、本人への通知義務化を内相が提案

この記事の要約

個人情報を保有するすべての企業に対しその事実の本人への通知を義務づけることを、ドイツのトーマス・デメジエール連邦内相が2月28日付『ターゲスシュピーゲル(日曜版)』紙への寄稿論文で提案した。個人情報取り扱いの透明性を高め […]

個人情報を保有するすべての企業に対しその事実の本人への通知を義務づけることを、ドイツのトーマス・デメジエール連邦内相が2月28日付『ターゲスシュピーゲル(日曜版)』紙への寄稿論文で提案した。個人情報取り扱いの透明性を高めるとともに、安易な情報収集に歯止めをかけことが狙いだ。同提案に対しては消費者保護団体のほか、閣内からも賛意が示されており、経済界には懸念が広がっている。

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市民は企業や官庁に対し、自分自身に関しどのような情報を持っているかについて知るとともに、情報を削除ないし訂正、封印させる権利を持っている。ただ、インターネットが普及した結果、自分に関する情報をどの企業が持つかを特定できなくなっており、個人情報の自己管理権が空洞化している。

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こうした現状に対しては以前から警鐘が鳴らされており、デメジエール内相は今回、企業がどのような個人情報を保有・利用しているかについて年に一度、本人に通知することの義務化を提案した。内相提案に対してはイルゼ・アイグナー連邦消費者保護相とザビーネ・ロイトホイザーシュナレンベルガー連邦法務相が理解を示している。

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一方、ハイテク業界団体Bitkomは「(本人通知にかかる莫大な)コストは最終的に消費者に転嫁される」として反対の立場を表明。ドイツ商工会議所連合会(DIHK)は個人情報がどう取り扱われているかに関心を示す市民は少ないとして、通知義務化は不要だとの認識を表明した。

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