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2010/3/10

総合 - ドイツ経済ニュース

列車の不具合で運行に支障、製造元も責任負担で法改正へ

この記事の要約

列車の不具合が理由で鉄道の運行に支障が出た場合、来年からドイツ鉄道(DB)などの運営事業者のほか、車両を製造したメーカーも責任の負担を義務づけられる見通しだ。連邦交通省のエナーク・フェルレマン政務次官は3日、鉄道の安全性 […]

列車の不具合が理由で鉄道の運行に支障が出た場合、来年からドイツ鉄道(DB)などの運営事業者のほか、車両を製造したメーカーも責任の負担を義務づけられる見通しだ。連邦交通省のエナーク・フェルレマン政務次官は3日、鉄道の安全性に関する連邦議会の公聴会で、製造元責任強化の方向で鉄道法(AEG)を改正し2011年1月から施行する計画を明らかにした。ドイツでは車両の不具合によるダイヤの乱れが相次いでおり、抜本的な解決が求められている。

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DBが運行する高速鉄道ICEでは2008年夏に脱線事故が発生した。これを受け同社は点検体制の強化を余儀なくされ、運行に支障が出ている。

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その後の調査で車軸の欠陥が原因であることが分かり、製造元のシーメンス、ボンバルディア、アルストムは車軸を全面的に交換することでDBと合意した。交換作業は2013年までかかる見通しのため、ICEの運行本数や編成は今後も制限が避けられない。

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こうした問題が起こる背景にはメーカーが収益性を追求するあまり、安全性をないがしろにしていることがあるようだ。連邦鉄道局(EBA)のゲラルド・ヘルスター局長は公聴会で、安全基準をクリアすればよいという姿勢で設計された車両が多いと指摘したうえで、こうした車両では「例えば小さな変更を施しただけで安全性が損なわれかねない」との見解を示した。

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