欧州経済の中心地ドイツに特化した
最新の経済・産業ニュース・企業情報をお届け!

2010/3/10

経済産業情報

独セメント市場、低迷続く

この記事の要約

独セメント市場の低迷が続いている。独セメント産業全国連盟(BDZ)によると、2009年の国内セメント消費量は前年比8.5%減の2,520万トンに落ち込んだ。今年は景気が緩やかに回復するものの、企業の建設投資が本格化する時 […]

独セメント市場の低迷が続いている。独セメント産業全国連盟(BDZ)によると、2009年の国内セメント消費量は前年比8.5%減の2,520万トンに落ち込んだ。今年は景気が緩やかに回復するものの、企業の建設投資が本格化する時期は先になるため、セメント消費量は5%減少する見通しという。

\

ドイツ政府は昨年、景気対策の一環として道路などへの公共投資を拡大した。BDZのアンドレアス・ケルン会長は同措置が今年末で終了することを踏まえ、来年以降も道路建設への投資を拡大するよう求めている。インフラ投資に占める建設投資の割合は現在およそ8%だが、道路を維持には10%が必要だという。

\

国内セメント業界の設備稼働率は現在約75%と低い。また、売上高利益率は平均7%で、老朽化した設備を近代化できない企業も多い。このため、アナリストは収益が高い企業が経営不振の企業を買収する動きが活発化すると予測する。業界では過去にも再編の動きがあり、1999年に38社あった企業は22社にまで減少している。

\