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2010/3/24

総合 - ドイツ経済ニュース

経営権温存型倒産のハードル引き下げで法改正へ

この記事の要約

ドイツのザビーネ・ロイトホイザーシュナレンベルガー法相は18日ベルリンで開催された第7回独倒産法会議で、経営権温存型企業再建のハードルを引き下げる方向で倒産法を改正する意向を表明した。倒産に伴う経営権の喪失を恐れる経営者 […]

ドイツのザビーネ・ロイトホイザーシュナレンベルガー法相は18日ベルリンで開催された第7回独倒産法会議で、経営権温存型企業再建のハードルを引き下げる方向で倒産法を改正する意向を表明した。倒産に伴う経営権の喪失を恐れる経営者が会社更生手続きの適用申請を先延ばしし事態が悪化するケースが多い現状を改める狙い。同相は「(経営者に)立ち直りのチャンスを与える文化」を育み、企業再建の可能性を高めたいと述べ、改正法案の草案を年央にも公表する意向を示した。

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具体的には経営者による自己管理型の再建(Eigenverwaltung)と、支払い不能の恐れが出てきた時点で経営者に作成が認められる倒産処理計画(Planverfahren)に関する規定を改定。経営権温存の処理計画に反対する一部の債権者がその実現を阻止する権利を制限する。

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法改正ではまた、金融システム上重要な役割を果たす大手銀行の倒産に関するルールも導入。倒産すると経済に深刻な影響が出るため国が税金投入による救済を余儀なくされることが起きないようにする。

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具体的には、大手銀行の所有者と債権者に損失を一定程度、負担させる方向で問題解決を図らせ、国が介入するのは所有者と債権者だけでは倒産を回避できないケースに限定する。その場合も国は当該銀行から金融システム上の重要な部門のみを受け皿となる「グッドバンク」に移管。公的資金をグッドバンクだけに投入し、国の損失がでないようにする。

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法相はこのほか◇倒産したグループ会社を1人の管財人が一括して管理できるようにする◇管財人の選出手続きを透明化する――などの法改正も長期的な課題として検討していることを明らかにした。

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