ユーロ圏16カ国は25日、ブリュッセルで臨時首脳会議を開き、財政危機に陥っているギリシャへの支援策で合意した。ユーロ圏各国と国際通貨基金(IMF)が協調融資するという内容。実施時期は決めず、同国が資金調達できなくなったときに「最後の手段」として実施する。当初想定していなかったIMFによる支援が組み込まれたものの、難航していた支援の枠組みが決まり、ギリシャに対するセーフティーネットが確立されたことで、同国の財政危機問題はヤマ場を越えた格好となる。
\ギリシャ支援策は26日に閉幕したEU首脳会議で承認された。合意によると、ギリシャ支援はユーロ圏各国による2国間融資と、IMF融資を組み合わせた形。ギリシャが市場で資金を調達できなくなった場合に、ギリシャの要請に応じて実施する。
\2009年の財政赤字が国内総生産(GDP)比12.7%まで膨らみ、信用不安が広がって国債発行による資金調達がままならないギリシャへの支援をめぐっては、当初はEU単独での支援を模索していた。1999年にユーロが導入されてからこれまでユーロ参加国がIMFの支援を受けたことはなく、ここでIMFに頼ると通貨同盟の威信が失墜し、EUが主導するはずのギリシャの財政再建にIMFが介入してくることも警戒したためだ。ユーロ圏が16日の財務相会合で支援の枠組みで合意した際も、IMFによる支援は組み込まれていなかった。
\だが、ユーロ圏最大の経済国でギリシャ支援でも中核を担うことになるドイツが、世論の反発を背景にユーロ圏単独での支援に慎重な動きを強めたことから、事態が急変。独メルケル首相はユーロ圏首脳会議に先立って、IMF支援に反対する仏サルコジ大統領を説得して支持を取り付け、今回の合意実現にこぎつけた。
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