製薬大手のスイスNovartis(バーゼル)が医薬品の研究開発(R&D)を大幅に強化する。R&Dの対売上高比率を業界平均(約16%)を大きく上回る20%以上に引き上げるとともに、開発体制の効率化も推進。研究開発費の抑制に走る競合に一線を画す。2月に就任したジョセフ・ジメネス新社長への取材をもとに22日付『ハンデルスブラット』紙が報じた。
\競合の米Pfizerと米Merckは最近、それぞれ同業大手のWyeth、Schering-Ploughを買収。それを機にR&D予算を大幅に削減した。英Glaxo-Smithklineと英Astra-Zenecaは製薬会社やバイオ企業との提携・ライセンス取引を通して新薬開発のアウトソーシング化を推進。これに伴い自社のR&D費用を減らしている。売上減や低成長を背景にこうした措置を取る企業は増えているという。
\Novartisはこうした動きに追随しない。2009年は研究開発に74億ドルを計上し、スイスRoche、Pfizerに次ぐ世界3位につけた。過去10年間に販売許可を受けた新薬は19種類に上る。
\開発体制の効率化に向けてはトヨタの生産方式をモデルに開発され「リーン生産方式」を活用して意思決定過程を改善。臨床試験のスタートから販売申請までの期間を現在の7年から5~7年に短縮する。
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