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2010/4/28

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Deutsche Bahn AG―英同業Arrivaを買収へ―

この記事の要約

独鉄道大手のDeutsche Bahn(DB、ベルリン)は22日、英同業Arrivaを株式公開買い付け(TOB)で買収すると発表した。欧州市場における競争力を強化することが狙い。Arrivaの経営陣は同TOBを支持し、株 […]

独鉄道大手のDeutsche Bahn(DB、ベルリン)は22日、英同業Arrivaを株式公開買い付け(TOB)で買収すると発表した。欧州市場における競争力を強化することが狙い。Arrivaの経営陣は同TOBを支持し、株主に対し応じることを呼びかけている。今回の取引をめぐってはDBの債務が膨らみ、サービスの質の低下につながるなどの批判が出ている。

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DBはArrivaの株主に1株当たり775ペンス、合計で最大15億8,500万ポンド(約18億ユーロ)を支払う。債務の引き受けも含めた買収金額は27億ユーロで、DBが行う買収では過去最大規模となる。DBのリューディガー・グルーベ社長は「買収により真の国際的な輸送・物流企業が創出される」と述べ、今回の取引の意義を強調した。

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Arrivaは英国を含む欧州12カ国で鉄道旅客、バス事業を展開する民間企業。従業員は4万2,300人で、昨年は31億5,000万ポンドを売り上げた。DBは買収計画の策定を進めるなかで独禁当局と協議しており、プレスリリースでArrivaの独鉄道事業を転売するとの見通しを明らかにした。

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DBはハルトムート・メードーン前社長の時代(1999年12月~2009年4月)に買収による大幅な事業の拡大を推進し、累積債務が膨らんだ。このため、グルーベ社長は債務の圧縮方針を打ち出していたが、Arrivaの買収によりこの目標はとん挫する恐れも出てきた。

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グルーベ社長は今回の取引への批判を念頭に「この買収により(競争力を強化するという目標の達成に必要な)時間と資金を節約できる」と発言。また「DBが今後5年間で計画している410億ユーロの投資額のうちドイツ国内の安全性、サービス、クオリティ向けの予算は1ユーロたりとも削減されない」と言い切った。

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