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2010/5/5

経済産業情報

金融所得明細書、一部銀行で発行に支障

この記事の要約

一部の金融機関で利子、配当、株式譲渡益などの金融所得に関する明細書の発行が遅れている。2009年に導入された資本所得への源泉課税(Abgeltungssteuer)に伴うITシステム変更が間に合わなかったためで、ドイツ銀 […]

一部の金融機関で利子、配当、株式譲渡益などの金融所得に関する明細書の発行が遅れている。2009年に導入された資本所得への源泉課税(Abgeltungssteuer)に伴うITシステム変更が間に合わなかったためで、ドイツ銀行、コメルツ銀行、Targobankなどの顧客100万人以上がいまだに明細書を受け取れないでいる。『ファイナンシャル・タイムズ(ドイツ版、FTD)』が4日付で報じ、独民間銀行協会(BdB)の広報担当者が追認した。

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連邦政府は09年、全ての資本所得に一律25%を課税する源泉徴収税を導入した。金融機関が顧客に代わって税務署に納めるもので、金融機関は源泉徴収票を顧客に送付する義務がある。『Spiegel(オンライン版)』によると、新税の最終内容が銀行側に伝えられたのが09年12月22日と遅かったため、一部の銀行でシステム変更が間に合わない事態が生じている。

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BdBによると、銀行は確定申告期限の5月末までに送付が完了するよう急ピッチで作業を進める方針。すでに大部分の銀行では源泉徴収票の送付が終了しており、影響が出ているのはごく一部という。

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源泉票を確定申告期限までに受け取れなかった場合は(1)確定申告に必要な書類がそろわない旨を税務署に伝え、申告期限延長を申請する(2)銀行からの源泉徴収なしでいったん確定申告し、税務署からの通知を受け取った後に修正申告をして書類を追加提出する――のいずれかの方法が可能だ。申告期限延長手続きをせずに6月以降に確定申告を行っても申請が無効になることはないが、遅延手数料をとられるなど不利益を被ることがある。

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