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2010/5/19

ゲシェフトフューラーの豆知識

昼食補助券の不正利用、解雇は行き過ぎ

この記事の要約

会社が発行する昼食補助金を不正利用して即時解雇を通告された社員がその取り消しを求めて起こした裁判で、ロイトリンゲン労働裁判所は11日、原告の訴えを支持する判決(係争番号:2-Ca-601/09)を下した。\ 訴えられたの […]

会社が発行する昼食補助金を不正利用して即時解雇を通告された社員がその取り消しを求めて起こした裁判で、ロイトリンゲン労働裁判所は11日、原告の訴えを支持する判決(係争番号:2-Ca-601/09)を下した。

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訴えられたのは中堅スポーツウエアメーカーのErima(従業員数170人)。同社は外部の事業者が運営する社員食堂を利用する社員に80セントの昼食補助券を月15枚、支給している。補助券は各従業員に支給され、他人への譲渡が禁止されているが、原告の男性社員マイク・K(35)はある日、同僚に支給された補助券を自ら頼んで譲り受け、社員ではない自分の彼女とともに社員食堂で食事をした。彼女は男性の同僚の補助券をこっそり使ったわけである。

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この事実を知った雇用主は「社員食堂でこのようなことをする人物は、担当の調達業務でも同様の行為をする恐れがある」と判断。雇用の継続に必要な労使の信頼関係が失われたとして解雇を言い渡した。

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これに対しロイトリンゲン労裁は、原告の行為は重大な義務違反で解雇の理由になりうるとしながらも、「原告には雇用主の資産を計画的に損なうという意図はなかった」と指摘。まずは警告を出すべきだったとして解雇無効の判断を示した。Erimaのヴォルフラム・マンヘルツ社長は上訴を検討している。

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