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2010/5/26

総合 - ドイツ経済ニュース

独がユーロ圏国債の空売りを部分禁止

この記事の要約

ドイツ連邦金融監督庁(BaFin)は18日、国内で取引されるユーロ圏16カ国の国債や、国債を対象とするクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の空売りを19日0時から部分的に禁止すると発表した。ギリシャ危機に乗じた投機 […]

ドイツ連邦金融監督庁(BaFin)は18日、国内で取引されるユーロ圏16カ国の国債や、国債を対象とするクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の空売りを19日0時から部分的に禁止すると発表した。ギリシャ危機に乗じた投機的な国債取引を抑え、金融市場の混乱に歯止めをかけるのが狙い。BaFinは「ユーロ圏の国債(価格)の異常な変動が金融市場全体の安定を脅かしている」として、異例の措置に踏み切った。

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19日付で禁止されたのは取引の裏づけとなる債券を確保せずに行われる空売り(ネイキッド・ショート・セリング)で、借り受けを伴う空売りは対象となっていない。禁止期間は2011年3月末までで、国内の一部金融機関の株式も対象となっている。対象はドイツ銀行、コメルツ銀行、ポストバンク、アーレアル銀行、アリアンツ、ハノーバー再保険、ミュンヘン再保険、ゼネラリ・ドイチェランド・ホールディング、MLP、ドイツ取引所の計10社。

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ユーロ圏では、ギリシャの財政危機に絡んだ国債などの投機的な金融取引が信用不安を拡大させ、金融市場の混乱を深めているとの批判が強まっている。特に欧州委員会は、公的債務不履行(デフォルト)のリスクを対象とする金融派生商品であるCDSについて、実際には国債を持たないヘッジファンドが投機目的で短期的な売買を繰り返し、市場の混乱をあおっている恐れがあるとして、EUレベルでの禁止を検討している。ドイツ政府はEUによる規制強化を見越して、先行して単独で空売り禁止に踏み切ったもようだ。

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