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2010/6/2

経済産業情報

海運業界、2011年には危機前の水準に

この記事の要約

世界不況の直撃で激減していた海運需要が回復に向かっている。チャーター貨物船欧州最大手Peter Doehleのヨッヘン・デーレ社長は5月25日、遅くとも2011年には業界の需給バランスが金融危機以前の水準まで回復するとの […]

世界不況の直撃で激減していた海運需要が回復に向かっている。チャーター貨物船欧州最大手Peter Doehleのヨッヘン・デーレ社長は5月25日、遅くとも2011年には業界の需給バランスが金融危機以前の水準まで回復するとの見通しを明らかにした。景気回復で荷動きが急速に活発化し運休中のコンテナ船の数が年初の600隻から260隻に減少するなど、経営環境が大きく改善しているため。稼働率向上で値下げ圧力も弱まっており、一部の運賃や貨物船チャーター料金は今年に入ってから2倍以上の水準に引き上げられたという。

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回復の動きは海運大手の決算にもはっきりと表れている。デンマークMaerskの2010年1-3月期の最終利益は6億3,900万ドルで、前年同期の赤字3億7,300万ドルから改善した。独Hapag Lloydも同1,340万ユーロの営業黒字(EBITAベース)を計上し、6四半期ぶりに黒字転換している。同社は昨年、資金繰りの悪化により国とハンブルク州から総額13億ユーロの資金援助を受けたが、元親会社で大株主のTUIの関係者によると、「これまでのところその資金に手をつけずに済んでいる」という。

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